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International Biodeterioration Research Group (IBRG)* Plastics Protection Working Group (PPG)部会による共同研究

かび汚染からの柔軟性プラスチックの防護:抄訳

Eugène Bessems, Akzo Nobel Chemicals, Chairman IBRG Plastics Protection Group

序言

本報は、International Biodeterioration Research Group (IBRG) Plastics Protection Working Group (PPG) 部会によって検討された可塑性プラスチック防かび性能判定

試験法についての研究論文(1)の抄訳である。

産業界、大学、政府、独立系研究所の約40の組織により構成されているPPGのメンバーにより、Nutrient Salt Agar (NSA)試験法(2)を用いて本研究が行われた。

NSA試験法は、栄養素を含まない寒天培地上に薄膜プラスチックサンプルを置き、その上からかび胞子懸濁液を混入させた寒天培地を薄く載せるというものである。この試験法は、プラスチックの大部分を占める疎水性プラスチックにおいても有効な試験法であり、非常に高湿度の環境を与えるため、かび胞子が均一に生育することができる効果的な試験法である。

サンプルは目視で評価・判定し、0=生育なし、1=中程度、2=重度 とする。阻止円が生成した場合には阻止円直径を測定して試験結果に記述してもよいが、本試験法における総合的な評価・判定とはしない。

6年以上に及ぶ共同研究は数段階に分けて試験が行われた。まず初めに、試験の基本原則について参加メンバーが熟知し、再現性のある結果を得る条件を決める必要があった。第2、第3段階目では、実験室及び工場で作られたプラスチックフィルム(薄膜)で試験を行い、技術的に再現可能か、繰り返し試験が可能かということを調査した。

第1段階

第1段階試験では、OBPA [10, 10’-oxybisphenoxyarsine] 370~500ppm添加プラスチック薄膜と防かび剤無添加プラスチック薄膜試料の比較試験を行った。防かび剤無添加プラスチック薄膜試料には試料表面にかびが一様に生育したが、500ppm OBPAではかびは全く生育しなかった。370ppm OBPAのかび生育度合いの判定は難しいものであった。しかしながら2年間の研究によりこの難題は克服され、再現性の得られる試験法が確立された。

第1段階において本試験は、訓練を受けた微生物研究者が十分な設備を備えた実験室で試験し、また、試験結果を適切に判定することに熟達する必要があることがわかった。

第2段階

第2段階試験では、防かび剤の種類を増やしての試験を行うことであった。4,5-dichloro-2-(n-octyl)-4-isothiazolin-3-one [DCOIT]、Zinc-bis-(2-pyridinethiol-1-oxide) [ZPT / ジンクピリチオン] 各2000ppm, 2500ppmで試験を行った。

全研究施設はPVCフィルムに対する試験結果は、DCOITではほぼ同様の試験結果が得られたが、ジンクピリチオンでは試験結果にばらつきが見られた。追加研究により、このばらつきは寒天培地中に緩衝能を持たせることにより克服できることが分かった。更なる研究により再現性の高い結果が得られ、第1段階試験の結果と比較対照できる結果が得られた。

第3段階

第3段階試験では、工場で製造したPVCフィルムを用いて試験を行った。第1段階、第2段階と同様の防かび剤を添加したサンプルを調整した。第3段階は第2段階試験の追加確認試験であり、第2段階試験と同様の結果が得られたため、NSA試験法が薄膜プラスチックの防かびテストの標準法として用いることができるということが確証された。

要約

6年に及ぶ共同研究により、試験法の標準化に必要な種々の要素が研究された。下記の要素が重要であることが分かった。

・ かび胞子懸濁液の調整:例えば、かび胞子懸濁液のかび胞子洗い出し方法の違いによる試験結果への影響は見られなかった。このため、NSA試験法は接種菌の調整法についての記述がない。

・ 胞子活性のコントロール:ポリカプロラクトンエステラーゼ試験が実用的な制御方法かどうか調査研究したが、試験手順が煩雑で結果の適切な判定が難しく、試験方法としては実用的でないことがわかった。このため、胞子活性を比較するために、防かび剤添加PVC薄膜と同様の前処理を行った防かび剤無添加PVC薄膜をコントロールとして試験に用いる必要があることが分かった。

・培地の準備と使用方法:試験容器中の寒天培地(下部寒天)量および試験片を完全に覆う

寒天(上部寒天)量についての研究を行った。上部寒天量は15cm3と決められ、試験片が下部寒天培地に静置されたあとに上部寒天を注ぐまでの放置可能時間は最大5時間と決められた。本研究において、再現性に与えるpHの影響が記述され、追加研究によりpH5.5緩衝が良好な再現性をもたらすことが分かった。

上記の改善された方法論と結果の解説は、試験法に記述されている。

結論

IBRG PPG部会による柔軟性プラスチックに対する共同研究の実施および試験法の問題点を段階的に解決したことにより、NSA試験法が防かび性能を持つ添加剤のかび抵抗性を判定するための再現性が高い試験法として用いることができることがわかった。

* IBRGの詳細な案内はhttp://www.ibrg.org を参照。

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Notes for Editors

参考文献

1. Bessems, E., 2000. The Protection of Flexible Plastics against Fungal Attack, Journal of Industrial Textiles, 30 (3), 185- 200.

2. Borgmann-Strahsen, R., Bessems, E., 1994. Evaluating Microbiological Susceptibility of Plasticised PVC Films, Kunstoffe Plast. Europe, 2, 159 - 162.

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